親の介護が急に始まったときに読むべき5つのこと
親が急に倒れたり、入院から自宅へ戻るタイミングで「介護が必要です」と言われたとき、あなたは何から始めればいいか分からず戸惑っていませんか?
50代は仕事や家庭、子どもの進路など、自分自身の生活が忙しい時期です。そんな中でいきなり「親の介護」という新たな責任が降りかかってくると、不安や混乱を抱えるのは当然のことです。
この記事では、介護がまったく初めてという方でも安心して読み進められるように、「最初に知っておきたい5つの大切なステップ」をお伝えします。
知識がないまま手探りで始めるのではなく、必要な情報と心構えを持って、少しずつ進めていきましょう。
まずは「自分一人で抱え込まない」と決めることが大切です
介護は、ひとりで抱え込もうとすると心身ともに疲弊してしまいます。最初にやるべきことは、「自分の限界を知ること」。そして、「制度・支援・家族など、使えるものを使う」発想に切り替えることが、長く介護を続けるための第一歩になります。
なぜ準備と情報収集が重要なのか
介護は「なんとなく」で始めると、後から大きな壁にぶつかります。制度や手続きについて知らずにスタートしてしまうと、経済的な負担が増えたり、家族間で意見が衝突したりすることも。
一方、事前に情報を知っておくことで、必要な支援をスムーズに受けられ、心の余裕も生まれます。
介護の全体的な流れや制度を知っておきたい方は、厚生労働省の公式サイトにある「介護サービスの流れ」も参考になります。
👉 介護サービスの流れ(厚生労働省公式)を見る
介護保険の申請をする
介護が必要かもしれないと感じたら、まずは「介護保険の申請」を行いましょう。申請は、お住まいの市区町村役場の窓口で受け付けています。
申請後には「要介護認定」という審査が行われます。この結果は、「非該当(自立)」を含め、「要支援1・2」または「要介護1〜5」のいずれかに判定されます。支援の必要度によって7段階に分かれているのです。
認定を受けると、訪問介護、デイサービス、福祉用具のレンタルなどの介護保険サービスが利用できるようになります。
「要支援」に該当した場合は、地域包括支援センターを中心にした「介護予防サービス」や「総合事業サービス」を利用できます。
手続きが不安な場合や、どう進めてよいか分からない方は、「地域包括支援センター」に相談すれば、無料でサポートしてくれます。

ケアマネジャーを味方にする
介護保険の認定が下りたら、次に関わるのが「ケアマネジャー」という専門職の方です。
ケアマネジャーは、親の状態や生活スタイルに合わせて、最適な介護サービスの組み合わせを提案し、計画を立ててくれるパートナーです。
大切なのは「遠慮せず、なんでも相談すること」。信頼できるケアマネジャーと良好な関係を築くことで、介護の不安はぐっと減ります。
家族と早めに役割分担を話し合う
介護は身体的な手間だけでなく、精神的・金銭的な負担もともないます。兄弟姉妹がいる場合は、できるだけ早く「誰が何を担当するか」を話し合っておきましょう。
・病院の付き添いは誰がするのか
・費用はどう分担するのか
・将来的な施設入所についての考え方
など、「あとで揉めそうなこと」こそ、最初に整理しておくと安心です。
ポイントは、「できる人が、できることをする」。全員が同じことをする必要はありません。
情報を得る「相談窓口」を知っておく
介護が始まると、分からないことや初めての手続きが次々と出てきます。そんなときに頼りになるのが、以下の相談窓口です。
・地域包括支援センター(介護・医療・福祉の総合相談窓口)
・市区町村の高齢者福祉課
・病院の相談室(入退院時の支援)
「どこに相談すればいいの?」と迷ったら、まずは地域包括支援センターに連絡してみてください。無料で親身に対応してくれる施設がほとんどです。
自分自身のケアも最優先にする
介護に一生懸命になるあまり、自分の健康や生活が後回しになってしまう方は少なくありません。
でも、自分の心と体が元気でなければ、介護も長続きしません。
例えばこんな工夫をしてみましょう。
・週に1日は介護から離れる時間をつくる
・デイサービスを利用して自分の時間を確保する
・友人やカウンセラーなど、気軽に話せる人を見つけておく
「がんばりすぎない」「完璧を求めすぎない」ことが、介護においてはとても大切です。
最後にもう一度、5つのステップを確認しましょう
- 介護保険の申請を早めに行う
- ケアマネジャーと信頼関係を築く
- 家族と早めに役割を話し合う
- 困ったときは相談窓口を活用する
- 自分自身の心と体のケアを忘れない
これらを意識することで、介護生活は少しずつスムーズに、そして心穏やかに進めていくことができます。
あなたが笑顔でいることが、親にとっても何よりの安心です。
無理せず、できることから、ひとつずつ始めていきましょう。
